日曜日, 6月 14, 2009

やむなく「554」で蹴っていると言うサイト

 メールサーバの逆引き名がS25Rに引っかかる会社から、S25Rによる不達問題に遭遇したからメールサーバを公開ホワイトリストに掲載してほしいと要請された。
 メールに書かれていた受信拒否のログを見ると、応答コード「554」で蹴られていた。受信側の会社は、あるホスティング事業者のサービスを利用していて、蹴られるようになったのは最近のことだという。
 そのホスティング事業者にメールを送って、「554」で蹴らないように要請した。回答はこうであった。システムの移行でユーザーが大幅に増加し、スパムアクセスも増えて、MXサーバに予想を上回る負荷がかかり、メールの遅延が発生した。そこでMXサーバにスパムフィルタを入れた。その中にS25Rの条件も含まれていた。応答コードを「450」にしたら大量のスパムアクセスの再送があり、新規セッションを受け付けられない状態になってしまった。そのため、やむなく応答コードを「554」にせざるを得なかった。タールピッティングとグレイリスティングの実装を準備しており、7月には実装する予定である。
 緊急事態だと言われれば、それでも「450」にしてくださいとは言えない。その代わり、クライアント制限に優先して受理される連絡用メールアドレス、または連絡用入力フォームのURLを拒否メッセージに含めてほしいと要請した。入力フォームのURLを含める方向で検討すると回答してくれた。

 これを読んで「そうか。その手を使えば、偽陽性判定された送信者からの申告を待っていればよくて、ログを監視する必要はなくなるな」とは思わないでほしい。それは浅はかな考えである。メールを送信するのは人間だけではない。オンラインショッピングの確認メールやメールマガジンのメールなどを「5xx」で蹴飛ばしたら、送信側サイトの管理者がいちいちホワイトリスト登録を申請して再送してくれたりはしない。メーリングリストの場合も、メーリングリスト管理者が受信拒否による不達に対処してくれない可能性が高い。それらのメールが不達になれば、自サイトの受信者の不利益になる。偽陽性判定からの救済はあくまでも、送信者に手間をかけさせずに受信側で行わなければならない。

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