日曜日, 10月 31, 2010

ブラックリストに登録しない条件

 一般規則のルール1~6をやめるというアイデアを思い付いた後、うすうす気になっていたことがあった。固定IPアドレスからのスパムアクセスである。2007年8月7日「スタティックIPアドレス」で述べたように、固定IPアドレスからのスパムアクセスは、無視できるほど少なくはなさそうだからである。
 このアイデアがいけるかもしれないと思ったのは、OP25Bが国内に普及し、世界にも広まりつつあると見られるからである。OP25Bは、動的IPアドレスのエンドユーザー回線から他ネットワークへのポート25をブロックする。しかし、固定IPアドレスからのポート25はブロックしない(もちろん、そんなことをされては、メールサーバを運用したいユーザーが困る)。固定IPアドレスで接続されたLANにもエンドユーザーコンピュータがつながることはある。それがウィルスに侵されてボット化すれば、そこからスパムアクセスが来る。
 それが本当に来た。国内の固定IPアドレスなので、ユーザーが特定されるのを避けるために、逆引きFQDNの数字の部分を伏せ字で示す。

p****-ipbffx**marunouchi.tokyo.ocn.ne.jp

 OCNは大手ISPで、もちろんOP25Bを導入している。そのOCNからのスパムアクセスであること、「fx」という綴りが「fixed」の意味と想像されること、協力者から寄せられたホワイトリスト情報に同様の逆引き名があることから、固定IPアドレスであることは間違いない。
 私は、一般規則をやめる代わりのブラックリストの作成にあたって、1回でもスパムアクセスがあったドメインは(たとえ「static」の綴りを含んでも)ブラックリストに登録してきた。しかし、OCNをブラックリストに登録するわけにはいかない。OCNのドメイン内のホワイトリスト情報はいくつか寄せられており、ホワイトリストに未登録のメールサーバも潜在していると考えられるからである。
 このことから、ブラックリスト登録に手心を加える基準というものをはっきりさせる必要があると考えた。今考えている、ブラックリストに登録しない、あるいは登録解除の要請に応じるための(すべて満たすべき)条件は次のとおりである。

●OP25Bを導入しているISPであること。
●そのISPの固定IPアドレスからのスパムアクセスがめったにないこと。目安として、私のサイトでの調査では、過去1ヶ月以内にスパムアクセスをして来たホストが高々1個しかないこと。
●そのISP内の、S25Rに引っかかる固定IPアドレスのメールサーバが公開ホワイトリストに登録されているか、または新たに報告されること。

 ブラックリストに登録しているドメインのほとんどは外国のものなので、国内のサイトでは、ブラックリストによる偽陽性判定は起こりにくいと思う。しかし、その可能性はある。もし「我々のサイトではこのドメインからメールを受信するので、ブラックリストから除いてほしい」という要請があったら、上記の条件に基づいて受理する考えである。
 なお、ブラックリストで偽陽性判定されるメールサーバは具体的に報告していただき、通常のホワイトリスト情報の提供と同じ扱いで公開ホワイトリストに掲載する。それはもちろん、一般規則をやめる方法を採用しないS25Rユーザーのためである。

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