日曜日, 7月 30, 2006

Rgrey

 佐藤さんは、S25R方式にグレイリスティングを組み合わせたRgreyを作られた(qmail版のQgreyもある)。S25R方式の拒否条件に引っかかるホストに対して「450」を返し、リトライがあれば自動的に受け入れるというものである。postgreyにパッチを当てることによって実現している。
 これにより、ホワイトリスト作成の手間がほとんどなくなる。大規模サイトには良いシステムである。リトライするスパムは通過できてしまうので、素のS25R方式(手動ホワイトリスティング)よりはスパムの阻止率は下がるが、約95%は阻止できると聞いている。
 すでにグレイリスティングによってスパムの受信を十分に減らしているサイトでも、Rgrey(あるいはQgrey)の導入にはメリットがある。
 素のグレイリスティングでは、初めてSMTPアクセスをかけてくるホストに対して無差別に「450」を返し、リトライしてきたホストをデータベースに登録する。したがって、膨大な数のまともなメールサーバがデータベースに登録されることになる。
 それに対してRgreyは、S25Rの拒否条件に引っかかるホストに対してだけ「450」を返す。まともなメールサーバの大多数はS25Rの拒否条件に引っかからないので、グレイリスティングの対象にならずに通過できる。したがって、リトライさせられることによる送達遅れがなくてすむ。また、データベースが小さくてすむので、グレイリスティングサーバの負荷が軽くなるのである。
 一方、スパムの阻止率は、素のグレイリスティングに比べてあまり下がらない。不正メールの送信元の約98%はS25Rの一般規則に引っかかるからである(2004年4月の統計による。論文参照)。

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